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「サッカーを続けさせたい。でも受験もある。どっちを取ればいいんでしょうか」
野球、サッカー、テニス、体操、バレエ、乗馬——。個別指導塾の教室長をしていたころ、習い事と受験の相談を数えきれないほど受けました。そしてぼく自身、高校まで野球一筋だった元球児です。
この記事を読めば、「習い事はいつまで続けていいのか」の具体的な答えと、両立に成功する家庭・失敗する家庭の違いがわかります。教室で見てきた実例と、球児だった自分の実感の両方から、正直に書きます。
目次
結論:区切りは「小6の夏期講習」。それまでは続けていい
先に答えをお伝えします。習い事は、小6の夏期講習が始まるまでは続けて大丈夫です。むしろ、続けたほうがいい。
ただし夏期講習以降は、時間的にどうしても両立が難しくなります。ここから先も同じペースで並行するのは、教室長としておすすめしていませんでした。
つまり「習い事か受験か」の二択ではありません。「いつ区切るか」の問題です。
最近は少年団だけでなく、クラブチームに所属する子がとても増えました。週数回の練習に遠征も加わり、活動はどんどん本格的になっています。熱中できるのは素晴らしいことですが、本格的だからこそ、区切りを事前に設計しておくことがますます大事になっています。
うまくいく子と、うまくいかない子の違いはひとつだけ
数百組の親子を見てきて、両立の成否を分けるものは、才能でも塾でもありませんでした。
「区切りを、子ども自身が納得して決めたかどうか」。これだけです。
うまくいった子は、みんなちゃんと区切りをつけられた子でした。「夏の大会までやりきる」「この発表会で一区切りにする」と、事前に親子で約束していた家庭です。
逆に、親が「もう辞めなさい」と一方的に取り上げた家庭は、だいたい苦しみました。中途半端に終わった習い事への未練が、机の前に座っても消えないんです。体は塾にいて、心はグラウンドやレッスン場にいる。この状態がいちばん成績が伸びません。
意外な事実:習い事に本気で打ち込んできた子ほど、受験も強い
これは教室長としての感覚値ですが、はっきり傾向がありました。
野球でもサッカーでも、バレエでも体操でも、何かに本気で打ち込んできた子のほうが、受験も勝ち抜く子が多かったんです。少なくとも第二志望までには合格していく。
練習で培った体力と集中力、負けたとき・できなかったときに立て直す力、本番の緊張への慣れ。受験の最後にものを言うのは、実はこういう力です。
そして面白いことに、そういう子たちは合格が決まった瞬間に習い事を再開します。習い事は「終わり」ではなく「一時停止」。そう考えられた子が、いちばん強い。
元球児の本音:きついのは「両立」ではなく「辞めた後」です
ここからは、高校まで野球を続けたぼく自身の話です。
正直に言うと、野球と勉強の両立がきついと感じたことは、ほとんどありません。本当に大変だったのは、部活を引退した後でした。
時間はたっぷり余っているのに、勉強できないんです。「あとでやればいい」が積み重なっていく。振り返れば、部活があって時間がなかったころのほうが、隙間時間を工夫してよほど集中できていました。だからぼくの受験でいちばんつらかったのは、時間が一番あったはずの直前期です。
この経験があるから、断言できます。「習い事を辞めさせれば勉強するはず」は、幻想です。制約があるから工夫が生まれる。取り上げるだけでは、余った時間はスマホに消えます。
区切った後も「月1回の練習参加」をおすすめする理由
もうひとつ、元球児として伝えたいことがあります。
区切った後も、月1回程度、練習やレッスンに顔を出すことを、チームや教室が許してくれるなら、ぼくは息抜きとしておすすめしています。
体を思いきり動かす1〜2時間は、机の前の10時間より、心の回復に効くことがあります。仲間が「待ってるよ」と言ってくれる場所があるだけで、直前期の孤独はずいぶん軽くなります。
所属先に相談してみてください。「受験が終わったら戻ってきます。月1回だけ参加させてください」と。快く受け入れてくれるチームは、いいチームです。
学年別ロードマップ
小4まで:習い事に全力でいい
この時期は、勉強は学校の内容+計算・漢字の習慣だけで十分です。グラウンドやレッスン場で得ているものの価値のほうが大きいです。
小5:続けながら、受験勉強の土台を作る
通塾が本格化する学年です。両立はまだ可能ですが、「いつまで続けるか」の話し合いをこの学年のうちに始めてください。直前になってから切り出すと、子どもは「取り上げられた」と感じます。
習い事と両立するこの時期は、決まった曜日や時間に縛られない学習が合います。送迎の待ち時間や、遠征の行き帰りのスキマ時間に、スマホ・タブレットで少しずつ進められるオンライン教材は、時間が細切れな家庭ほど相性がいいです。うちの教室でも、そうしたご家庭にはスタディサプリ小学講座のように、14日間の無料体験で子どもに合うかを先に試せるものをよく紹介していました。![]()
小6:夏期講習前に、約束どおり区切る
事前に決めた区切りで、やりきって終える。ここまで納得して区切れた子は、秋からの伸びが違います。区切った後は、前述の「月1回参加」で心の補給を。
面談でぼくが実際に伝えていたこと
保護者の方に「辞めさせるべきですか?」と聞かれたとき、ぼくはいつもこう答えていました。
「極力ギリギリまで、続けることを前提に考えてください」
そのうえで、遅くとも小6の夏期講習前までのどこで区切るかを、親子で納得して決めてもらう。もしどうしても決められなければ、お子さん本人を交えた三者面談で一緒に決めていました。親からでも塾からでもなく、最後は本人の口から「ここまでやったら切り替える」と言えることが、いちばんの合格への布石です。
まとめ:今日できる最初の一歩
・区切りは小6の夏期講習前まで。それまでは続けていい
・成否を分けるのは「子ども自身が納得した区切り」があるかどうか
・親が一方的に取り上げると、未練が残って逆効果
・「辞めれば勉強するはず」は幻想。制約こそが工夫を生む
・区切った後も、許されるなら月1回の練習参加が最高の息抜きになる
・習い事は「終わり」ではなく「一時停止」。合格したら再開できる
今日できる最初の一歩は、「いつまで続ける?」と子どもに聞いてみることです。決めるのはまだ先でいい。ただ、この対話を始めた家庭から、両立はうまくいきます。
小6の夏の過ごし方はこちらの記事に詳しく書きました。受験も習い事も沖縄も、気軽にパパへどうぞ。